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800T鍛造用サーボスクリュープレス製作 2004年
- 2004年11月
サーボモーター駆動による大型鍛造用スクリュープレス、800T(許容加圧能力1600Tを開発製造し、国内アルミ鍛造メーカーに販売した(写真)。
同社は鍛造用フリクションスリュープレスの製造では90年の歴史を持ち、国内海外の鍛造メーカーに数千台の販売実績があるが二十年程前に油圧モーターによるダイレクトドライブ方式機を開発販売した実績がある。
七年前からサーボモーター導入による精密鍛造用ダイレクトドライブ方式を開発、機械振興協会や塑性加工学会、日本鍛造協会、アルミニウム協会等から技術賞を授与された。当該機は消費電力が従来のフリクション式と比べ三割から五割少なく、省エネルギーの特別償却対象機になっている。クラッチの無い直動式であり、機械式ブレーキは非常時だけ作動する緊急用であり、ブレーキライニングは半永久的に使用でき、消耗品の交換に要するメンテナンスコストが大幅に削減されている。スライドの下降途中で速度を減速できるという、サーボモーター独特の特徴を生かした運転自動プログラムは、大きな加圧力を設定した場合でも小さな加圧力を設定した場合でも、一工程の動作時間が大差無いと言う大きなメリットを生み、一台のプレス機で大小様々な加工物をほぼ同じ工程時間で製造できるという、世界で当該機だけが実現できる理想的な運転モードを提供し、好評を博している。
同社の最近の国内受注の九割弱は従来のフリクション駆動式からサーボモーター式に置き換わり、海外受注分もインドやタイ等でもサーボモーター機が漸増してきている。更に、鍛造用スクリュープレスの本場であるヨーロッパでも、対抗機が無い為輸出実績を伸ばしており、同社では今後五年以内を目処に従来のフリクション式駆動機の製造を打ち止めにし、サーボ機一本にする計画。今回製造の800Tの販売価格は約1億円。現在さらに大型の1000Tと、1250Tの引き合いを海外から受け、受注が見込まれている模様。